★Beat Angels

そんなことはどうでもいい、道路こそが人生だ

詩集

雨のブックセンター

六本木の街をあてもなく歩いていると不意に雨が降り始めた。通り過ぎる人たちは立ち止まってカバンから傘を取り出している。僕はあいにく天気予報をみてこなかったので傘は持ち合わせていない。目の前にあるビルに「BOOK」の文字があるのを見つけてこれ幸い…

あなたのその目が

あなたのその目が見えるのは見る価値のある素敵なものがこの世界にはきっとたくさんあるからですあなたのその耳が聞こえるのは聞く価値のある素敵な言葉がこの世界にはきっとたくさんあるからですあなたのその手がぬくもりを感じるのはぬくもりをくれる素敵…

Platonic Rhapsody in Blue

どこかの街角で最後のランデブー急いでるタクシー待ちながら彼女も見飽きたルージュ塗り替えたクールになれない悪い癖どうにもならないダメな恋まるであの日のスクリーンジョークにならないひどいヤツどうにかならない罪な夜ため息交じりのラプソディよくあ…

図書館幻想

その重い扉を開けると薄暗くほこりっぽい館内には果てしなくもなく書架の森が広がっていた。 ▮第1の森 左右には高い木が立ち並び小径はやがて狭まって途切れがちな抜け道となっている。それは複雑に入り組んだ草深い道で、草々が両側から触手を伸ばし閉じ込…

天使じゃないわ

赤い車のホロをはずして飛ばすハイウェイ星の降る夜ね胸のピアノをかき鳴らして風の五線紙に愛をつづるの いつまでたっても優しすぎるあなた時にはちょっと乱れてもいいのよこんな夜は 大人じゃない子供じゃない微妙な年ごろね泣きたいほどあなたが好きもう…

アクアリウムの午後

透明なガラスの上に描く夏の日水色の絵の具で染めた雨の水曜日 光の泡と戯れ魚たちが躍る胸にしまいきれない言葉たちのように 夏の余熱を残す本のページをめくってあてもなく思い出をたどる雨の水曜日時間も忘れて忘れて www.youtube.com

▮追悼:チャック・ベリー爺さん

I'm Just a Kid of Rock'n Roll あの頃のままだよ 路地裏で夢みた チャック・ベリーのダッグ・ウォーク Keep on Rock'n Roll リッケンバッカー抱きしめて 涙でにじんたラジオから 夢しか見れない男のために もう一度だけ聞かせてくれないか I'm Just a Kid o…

秋の転調

▮冬枯れて記憶舞い飛ぶ岸辺かな 汽車の中で私の前の席に静かに座っていたその人は小雪の舞う最上川を眺めながら涙を一筋流した。 そして今日、その人のいた席に私が座っている。 ▮永訣の予感、初雪予報聴き 急を知らせた病院へと向かうタクシーの中、ラジオ…

■追悼:黙して語らぬ人へ

聖人よあなたの道を教えてくれ繁華な村落はまだ遠く鶏や子牛の声さえも霞の中にきこえる聖人よあなたの真理をきかせてくれ杏の花のどんよりとした季節のころに私は家を出で何の学問を学んできたかむなしく青春は失われて恋も名誉も空想もみんな泥柳の牆に涸…

春の転調

■ 雪ウサギおぼろ霞みて、ひと逝けり 誰よりも春の到来を待ち望んでいた人。 ■ 風花のひとひら溶けり頬の上 風の中を音もなく舞う雪。肩に残るあまりに淡い最期のぬくもり。 ■ ピアニカの列、交差せり母の列 火葬場に向かう葬列が、故人の生まれた町を通り抜…

B-Side Life

コンサート終えたミッドナイトメトロでダウンタウンクラブへベートーベン弾いたさっきのバイオリンがグリーングラスを切なくうたうよ 気楽が一番New York CityつきさえまわりゃSuccess over Nightバーボンの馬車で朝まで飛ばすよいかれたあの娘のピアノに合…

上海植物園にて

– こんなところにずっと立ったままで何をしてるんだい? – 親友の風を待っているのさ。今日は少し遅いから心配しているんだ。 もしも僕の命があと一週間と分かったならば僕は声が涸れるまで愛の歌を歌うだろう・・・と思った瞬間、一斉に蝉が鳴き出した 並木…

Shanghai Bay Blues

Shanghai Bay Bluesネオンのさざなみに青い三日月が別れを告げている今日も桟橋にあの人は来ないTell me why Shanghai bay Blues異国の石畳夜明け間近いつかのまの静けさ靴の音だけが胸にしみわたるTell Me Why 何も言わないで街はみつめてる恋の物語 Every …

簡易漢詩入門

形式は自由ですがここでは七言絶句形式を例に説明します。まずは4行の詩を思いつくまま書いてみます。例えば、 満月のきれいな夜に町の近くの高い山に登り朝まで白酒をたしなんだ月と影と李白を従えて など。この程度の分量がお勧めです。理由はすぐにわか…

星の子守唄

星がひとつ空から落ちてきてあなたの頬を静かに照らしてるさわるとすぐに壊れそうガラスのようなあなただから風がさらっていかぬよう誰にもみつからないようにそしてあなたが目を覚ました時に一番最初に私がみえるように怖い夢など見ぬように私が守ってあげ…

工場夜景

冬の冷たい夜風が吹き抜ける荒涼とした湾岸コンビナートに、ひっそりと寄り添う様な無数のともし火。 これらのともし火が優しく温かく、そして何よりも美しいと感じるのは、これらが決して着飾るためとかみせびらかすとかそういう類のものではなく、あくまで…

ウサギとワニの物語(日本神話の幻想から)

ウサギは歩いて川のほとりまで来ました。 でも、川には橋がありません。ウサギは困ってしまいました。 そこへ、ワニが偶然通りかかりました。 ワニはウサギを見つけて、困った顔をしました。会いたくなかったからです。 「おーい!」とウサギは大きな声で声…

シラーの詩、のようなもの

みなとみらい線、みなとみらい駅からクイーンズスクエアに向かう長い長いエスカレータに乗るとこの巨大な黒い壁が見える。 これはれっきとした芸術作品でタイトルは"The Boundaries of the Limitless"。美術家のジョセフ・コスースという人の1997年の作品だ…

魔法の鏡

魔法の鏡を手に入れた 蜃気楼の国で露天商から手に入れた彼は砂漠の向こうの町からやってきたと言った彼はそれを売り渡すことを渋っていたその魔法の鏡は好きな人のその時々の表情だけをずっと映し出してくれる 僕はそれを机の上に飾ったそしてずっと好きな…

海の青さの中で

海に寄り道したね柔らかい君の髪に波の音がするよ君の中の大きな青い海が騒いでる私の海を抱いて遠ざかる丸い地球、二つの手でそっと帰り道に見つけた海をあなたにあげるわ誰も居ない砂浜に一人いる誰もいない物語歌ってる誰もいない人生を歩いてる大海原だ…

浮浪者

『横浜望郷情念詩集('85~'95)』より

野球観戦

奮闘的恋愛の末路。僕は翌日青梅にある球場に行き、ロッテー南海の二軍戦を観ていた。観客は24人。僕を入れて、だ。そして余計なお世話なことに二軍選手達の人生について思いめぐらしていた。追い打ちをかけるように降り出した雨。それも中途半端な霧雨。…

少女

南に向いた扉から果てしなき海原が広がり午後の日差しが照り返して部屋の中には光が乱舞している少女は扉のそばのベッドに歩み寄るとよく洗濯された白いシーツの上にそっと片膝をおとす少女は家霊の潜む暗闇の中から這い出してきたばかりなのだ誘惑の手はあ…

月蝕

『横浜望郷情念詩集('85~'95)』より

溶融

「聞こえる? ちょうど、この町ってお鍋の底みたいなところにあるでしょ?この石段を上り下りする人がいると、靴の音が響くの。今日、あなたが私の家に来るのも自分の部屋にいて、すぐわかったの。」 石段におおいかぶさるように茂る大樹が明滅する水銀灯に…

鯉泥棒

こんな夢をみた。 大邸宅に夜忍び込んで、池の錦鯉を盗み出そうということになる。そこは町内でも評判の金満一家の屋敷。僕は気乗りはしなかったが彼女に頼まれるといやとはいえない。 寝静まった満月の夜、僕は大きな池にしずかに釣り糸をたらす。糸だけで…

無題

人生最初の恋は最後の恋のように思う。人生最後の恋は最初の恋のように思う。

飛躍への

(Intentionally Blank) 『福島青春焦燥詩集('75~'80)』より

幻の旅路

雁の群れが空を二つに横切り猿の声が遠く響き渡る薄く霞んだ道の果てにはるか塔は浮かび上がった僕を誘ってやまぬ幻の旅路よ残念ながら僕はもうここにとどまることはできない『福島青春焦燥詩集('75~'80)』より

京都よ

京都よ 古代からの日本人の心のふるさとよ優しい響きで私を誘ってやまぬものよ私はお前に出会うのだ刹那なりともお前と同化するのだすべてを見せてほしいそして私の第2のふるさととして私を励ましてほしいのだ 古代建造物の歴史の香りにも舞妓たちの脂粉の…