★Beat Angels

"Don't use the phone, People are never ready to answer it. Use Poetry." - Jack Kerouac

自然

エスカレータの段数定理(その2)

前回、同じ速度でエスカレーターを2方向に歩くとき、その歩数がA、Bだったならば、エスカレーターの段数Nは、 という調和平均で求められることを示した。ここで、歩数A, Bは方向と速さによっては、マイナスの値をとる場合もありうる。 この定理はエスカレー…

エスカレーターの段数定理

-アトランタ空港ですごく長いエスカレーターに乗ったよ。世界一じゃないかな。 -へえ、何段くらいあるの?-ざっと100m以上はあったなあ。-だから、何段だったの?-そんなのわからないよ。測ってないし。-歩いて登って歩数を数えたらだいたいわかるでし…

ルール改正対応パッティング必勝法

2019年からゴルフのルールが改正となった。改正内容のひとつに、グリーン上でピンを抜かずにパットができる、というものがある。 しかし、毎度毎度パットのたびに抜くか抜かないか考えるのも面倒だし、プレイヤーごとに意見が異なると誰かがピンを入れたり抜…

角の3等分装置(原理編)

前回紹介した、角の3等分装置の原理を説明する。 4つのレバー(b~e)が一つの支点aで固定されている。 c、eのレバーの間には円板がありその中心はレバーdの上でスライドできるようになっている。円板の周りにはバネが取り付けられていて、レバーc、dの間…

シュレディンガーのおばちゃん

教授:君はシュレディンガーの猫の話を知っているかな?学生:はい、聞いたことはあります。教授:聞いただけでは困るな。ここは量子力学の研究室だ。それは常識の範囲だ。学生:少しは知っていますよ。猫を箱にいれていっしょに放射性原子が崩壊したら毒ガ…

角の三等分装置

これは15~16世紀を代表するイタリアの知の巨人のノートの片隅に遺されていた落書きのような絵である。 一見して何らかの装置とか機械のように見える。しかし説明が記されていなかったのでこれが一体何を意味するか、何を目的としたものなのか長年の謎とされ…

3次元ピンボール(その3)

話はピンボールから完全にそれてしまうが、次の形式で2進法表記された、 という、0~1の範囲の数に対して、 桁数に対応して直角二等辺3角形をどこまでも細分化していくと、最終的に一つの点に収束していく。こうして、0~1の間の実数Fを三角形の内部の…

3次元ピンボール(その2)

0から1までの実数を2進法で表記する。この小数点以下の桁数と数に対応して、2等辺直角3角形を細分化していく。 桁数を進めるに従って経路は複雑化し、3角形内を塗りつぶすように進んでいく。こうして長さ1の線分上の点は、3角形内のどこかの点に対応…

3次元ピンボール

taamori1229.hatenablog.com ピンボールの定理を3次元に拡張する。 原点Oから球を打ち出す。打ち出す方向はこの図に示した通り、x,y,z≧0の範囲だけを考える。原点O付近を拡大すると、 となり、球は⊿ABCのどこかの一点Dを通過して飛んでいく。⊿ABCのyz平面へ…

我が心のピンボール(その3)

格子状に無限に広がる穴に向かって、球を打ち出す。 ここまで、次の定理が成り立つことを証明した。 ◆ピンボール定理球、穴の大きさが両方とも0の場合、球の打ち出される傾きの値が、 (1) 有理数の場合、球はどこかで穴の中に落ちる。 (2) 無理数の場合、球…

我が心のピンボール(その2)

便宜的に角度45°のエリアだけを考える。球の方向を下図のように傾きaで表現すると、 傾きaの値が有理数の場合、必ずどこかの穴に到達する。無理数の場合はどの穴にも到達しない。ここで、図の線分ABを考えて球がこの線分を通過する点のY座標は、球の打ち出し…

我が心のピンボール

こんなピンボールを考える。 格子状の穴が90度の角度の範囲で無限に広がっている。 左下に球を打ち出す場所(赤)があり、ここから球をランダムな方向に打ち出す。 もしも球がどこかの穴に入れば勝ちである。 もしも球が穴に入らない限り無限の距離まで転…

アポロ宇宙船の推進力(付録)

前回までで、均一な媒質の中で表面から一定の圧力を受ける任意の形状の物体に対しては、圧力の合計の力ならびに並びに物体を回転させる力はゼロとなることを説明した。しかし、実際問題として地上では重力gが存在するので圧力Pは均一ではない。ここではその…

アポロ宇宙船の推進力(後編)

物体がまわりの媒質から均一な圧力Pを受ける場合、物体を移動させようとする力、そして物体を回転させようとする力の合計がどうなるかを一般的な形状で考えてみる。▮推進力F物体の表面には、表面に垂直な方向nに向かって大きさPの圧力が生じる。 これを物体…

アポロ宇宙船の推進力(前編)

こんな夢を見た。 どこかの研究所の実験室にいる。そこはNASAであるとなんとなくわかっている。大きな水槽の中にアポロ宇宙船が沈められている。 一人の白衣を着た科学者が何やら英語で声をかけると、5人組の男たちが現れて、宇宙船を引き上げたかと思うと…

コリオリゴルフ(Coriolis' Golf)

J・P・ホーガンのSFの名作「未来の二つの顔」はスペースコロニーを舞台とした壮大な実験の物語である。 www.tsogen.co.jp その実験とは人工知能を持ったコンピュータは人類と共存できるのか、はたまた破滅へと導くのかというテーマである。場所はヤスヌと呼…

コイントス必勝法

コインを放り投げてキャッチして表か裏かで何かを決める、いわゆるコイントス。 ここで表か裏をうまくコントロールできないものだろうか、と誰しも考えるだろう。一番簡単なのは、コインを水平方向に回転させて投げ上げて、 表が常に上になるように投げるこ…

とんでもおじさんの装置

学生時代の文化祭で僕たちはいきなり見知らぬおじさんに声をかけられた。紺色のブレザーを着て大きなカバンを抱えた初老のおじさんであった。黒縁のメガネと茶色のベレー帽という風貌は学者風にも見えないこともない。「ちょっといいですか?」と彼は言うと…

ツルカメ算

子供が算数のツルカメ算を教えてくれと言ってきた。ツルとカメが合計で10匹、脚の数が合計で30本、ツルとカメはそれぞれ何匹か?という例の問題である。 -どこが分からないの? -10匹ともツルさんだとすると脚の数は20本。あと10本足りないから…

生命表と年金システム

厚生労働省の発表する統計データの一つに生命表というものがある。個人的にはまずこの「生命表」というネーミングが簡潔で気に入っている。 おそらくいつものお役所仕事だったら「年齢別生存・死亡関連各種統計一覧表」などという堅苦しい名前になるのだろう…

アリとキリギリス(解説編)

taamori1229.hatenablog.com アリはゴムの上を歩き始めた。キリギリスの策略によってゴムは次々に引き延ばされ角砂糖はみるみると遠ざかっていく。1時間も経過すると角砂糖は100m先まで遠ざかりとうとう見えなくなった。その後も200m、300mとさらに距離は遠…

パスカルの変則3角形

taamori1229.hatenablog.com 前回、パスカルの変則3角形の話をしたがその続きである。これまで、 などが見事に0になることを示したが、こうなると次は、 など、(-n)乗の場合がどうなるかが気になるところである。次の関数σ(n,m)について調べてみることにす…

アリとキリギリス

長さ1mの無限大まで伸縮自在のゴムがある。ゴムの片端は地面に固定されていて、そこに一匹のアリがいる。ゴムのもう一方の端には角砂糖が置いてある。アリは角砂糖を求めてゴムの上を歩いていく。蟻の歩く速度は秒速1cm。何もなければアリは100秒で角砂糖に…

格子点をくぐり抜けて(補遺)

今回の格子点の解析とは話題は少し離れるが、解析の途上で気がついたことがある。こちらの方がむしろ新鮮な驚きがあったのでここに補遺として記しておく。下図はおなじみのパスカルの3角形である。一般項を合わせて示す。 今回、解析の途上でこの3角形の変…

格子点をくぐり抜けて(続き)

線形代数を用いてもっと一般的な解法を試みる。1~nについて、 が成り立つとき、 が、a1~anを用いてどう表されるかを考える。Vを、 というヴァンデルモンド行列とすると、 と表すことができる。これをA1~Anについての連立方程式とみて、その解をクラメルの…

格子点をくぐり抜けて

風呂場で湯舟につかって、壁のタイルをぼんやり眺めたときに考えたことである。 隣り合う縦線で任意の格子点を選んでみる。 この2点を通る直線をひく。 縦線に沿って眺めてみると直線はすべての縦線で格子点の上を通過する。 最初にどんな2点を選んでもそ…

エスカレーターの乗り方について

日本エレベーター協会から、エスカレーターの利用方法についてのお願いが出されている。片側を歩いて上るのは止めて2列とも歩かないでほしい、というものである。www.n-elekyo.or.jp 確かに駅ではこういうポスターを見かけることが多くなってきた。 しかし、…

ストーブの炎の色のこと

北国ではストーブの季節を迎えている。先日、寒い部屋で灯油のストーブをつけて部屋が温まるまでの間、ストーブの炎をぼんやり眺めていた。 炎はよくみると一つではない。ストーブの芯は円筒型の耐熱ガラスで覆われていて炎の光がガラスの内側で反射するから…

スーパーボールの運動解析(その3)

前2回に引き続き、最終回である。前回までで、スーパーボールの運動を記述する運動方程式は、 であり、この解は行列を用いて、 という変換で記述される。ここで登場した行列Aには、 という顕著な特徴があり、これにより2種類の運動が交互に現れることを示…

スーパーボールの運動解析(その2)

前回に引き続き、スーパーボールの挙動についてである。 taamori1229.hatenablog.com 今回は連続して衝突が発生する場合を考える。そのために準備をする。スーパーボールの床面との衝突運動は、前回の説明のとおり、運動量の保存則、そしてエネルギーの保存…