★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

戸塚駅周辺の歴史

▮1944年(昭和19年)

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戦時中。まだ昔の宿場町の印象を残した田舎町といった風情である。

 

▮1956年(昭和31年)

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時代は高度成長期を向かえようとしている。駅周辺には少しずつ民家が並び始めている。が、まだ川(柏尾川)の向こう側には水田が広がっている。

 

▮1966年(昭和41年)

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東口、西口ともに普通の民家が多くなった。戸塚は江戸時代は東海道の宿場町であり、近代においても東京、横浜のベッドタウンとして発展してきた。

 

▮1977年(昭和52年)

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 70年代を迎えると西口側では大きな建物が目立ち始める。駅周辺に商業施設ができ始め、住宅地はさらに郊外に広がり始める。写真左下にみえている広場のような場所がそれらをつなぐバスセンターである。

 

▮1988年(平成元年)

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 1982年頃、東口(写真では右側)が再開発に着手。1990年頃に完了した。いくつかのビルと2階の駅前広場が出来上がった。西口側はまだまだ雑然としている。

 

▮2015年(現代)

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 遅れていた西口の再開発が2010年に完了(着工は2007年)。巨大な駅ビル(トツカーナ)が完成し、駅周辺はさらに整然として現在に至っている。

 

●写真協力:国土地理院

最優秀ハカセ大賞

 ハカセ大賞なる選考会を開催する。博士ではなくハカセ。これがどういう大賞なのかを明快に説明することは難しい。というかはっきり言って考えがまとまっていない。まずは選考条件を列挙するのでそれからイメージとして推測されたい。

 ハカセ大賞の選考条件として次の6つを挙げた。

 

1. 眼鏡をかけている(20点)
 ハカセとしてのトレードマークである。

2. 主人公ではない(10点)
 ハカセは体育会系のヒーローとは対照的な位置にある。

3. 主人公とは強い友情で結ばれている(10点)
 主人公を作り出した、改造したとか、主人公に対して強い権限を持つ立場にあってはいけない。あくまで主人公とは友人、同僚など対等な関係の中で友情と信頼感で結ばれていることが重要である。

4. 実際に博士号を取得している訳ではない(10点)
 これは悩ましかったのだが、まず、その道の権威とかであってはいけない。それでいてみんなから尊敬を集めている、という点を重要視したい。せいぜい町内会レベルの小さな世界観の中にあることが望ましい。

5. 明晰な頭脳で主人公をサポート(40点)
 素晴らしい着想・発想・発明で窮地に陥った主人公を救う。これが最大の要件であり配点も高めにしてある。

6. 気さくでひょうきんな一面あり(10点)
 まじめなだけではだめ。基本的に楽天家であること。優れた知性の半面、愛らしい癖や欠点も持ち合わせている。そして時々、失敗もする。

 

 さて、今回古今東西からノミネートされたハカセ大賞候補者は次の10名。

 

①天馬博士(鉄腕アトム

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お茶の水博士と紛らわしいがこちらがアトムの製作者。自己中心的な野心家でアトムとも敵対する。

 

お茶の水博士(鉄腕アトム

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アトムの育ての親。天馬博士とは対照的に優しく人情的な科学者。

 

③一之谷博士(ウルトラQ

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ウルトラシリーズからノミネート。怪獣・怪現象を科学的な見地からやや無理矢理に解説し物語にリアリティを与えている。口ひげには威厳があり白衣もよく似合う。

 

④ギルモア博士(サイボーグ009

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悪の秘密結社ブラックゴーストに属してサイボーグ兵士計画を推進。その後良心の呵責から造反して009たちと脱走し、ブラックゴーストに立ち向かう。

 

則巻千兵衛(Dr. スランプ)

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 アラレちゃんの産みの親である天才科学者。しかし作り出すものにはどこか詰めの甘さがみられる。

 

死神博士仮面ライダー

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マッドサイエンティスト界からのノミネート。敵役までノミネートするとは数合わせ以外の何物でもないがこの強烈な個性と存在感は捨てがたい。

 

⑦ブレインズ(サンダーバード

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グローバル枠からのノミネート。国際救助隊のメカはすべて彼の設計・開発によるもの。時折出てくる秘密兵器が国際救助隊の窮地を救う。写真で手にしているのは幻のサンダーバード6号の試作品。

 

⑧ハカセ(ひょっこりひょうたん島

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日本の人形劇界からノミネート。メガネをかけた緑色の少年がそれ。小学生ではあるが学者並みの知見を有する。ちなみに声の出演は中山千夏

 

⑨ハカセ君(おばけのQ太郎)

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 だぼだぼの学生服が特徴。頭脳明晰な少年科学者。お人好しで学術以外では間が抜けていることが多い。

 

⑩中島君(サザエさん

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 ご存じ国民的アニメからノミネート。これといった取柄はないがカツオ君との友情には定評がある。

  さて審査結果である。

 

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 見事満点で大賞を受賞したのはひょっこりひょうたん島、そしてオバQの両ハカセであった。ほぼ予想通りである。名前だけで予想できた、ともいえる。

 そして次点はサンダーバードのブレインズ。実際に博士号を持っていることだけが減点対象であった。

 最下位は予想通り天馬博士と死神博士。これも当然の結果である。

 そして残念なのが中島君。ほとんどの項目で条件は満たしたものの、頭脳の部分で大きく点数を落とした。しかしよくよく考えてみればカツオ君はヒーローでも何でもないのだから当たり前ともいえるだろう。彼にとってはノミネート自体が迷惑な話であった。

 

3と1/2番線

 『ハリー・ポッター』の世界でホグワーツ行の特急の始発の駅はキングス・クロス駅であるが、ホームの番号が少し普通とは違っている。それは「9と3/4番線」である。ホグワーツには魔法使いの養成所がある。そこは素質のあるものだけが行くことを許される。従って普通の人が間違ってもいける場所ではなく、ホームの存在自体が謎に包まれているということである。

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キングス・クロス駅は現在でも実在する。そこにはこの「9と3/4番ホーム」のモニュメントが作られていて有名な撮影スポットとなっている。

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 先日、東海道線の上りの電車に乗っていて、電車はとある駅の4番線に入ってきた。ホームの反対側の3番線との間、ホームのほぼ中央にもう一つ東海道線電車の姿が。これはまさしく「3と1/2番線」である。目的の駅はまだ先だったが思わず途中下車してしまった。 

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 これは実は新型の売店、つまりキオスクである。

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 窓からぼーっと眺めていると反対側のホームに停車中している電車のようにも見える。ちょうど東海道線フィギュアのボールを売り出していた。一つ400円というなかなかしっかりした値段である。

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 ボールの中に入っていたのは、大船観音のフィギュアであった。端正な顔立ちに思わず掌を合わせたのであった。

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North by North-West

さて今年の節分は恵方巻を御賞味されましたか?
なんでも2017年の「恵方」は「北北西やや北」なのだそうです。

ということなので今年の映画はこれで決まりでしょう。 

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雪の富士山

 仕事で秦野市を訪れた。

 

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 この季節、空が晴れ上がっていると雪の富士山がきれいに見渡せる。

 

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 見ているだけでうれしくなるから不思議だ。
 そしてこちらは横浜のランドマークからみた富士山。こちらも荘厳である。

 

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▮追悼:元阪急スペンサー氏

  アメリカから元阪急のスペンサー氏の訃報が届いた。

 スペンサーと聞いて思い出すのは昭和42年の日本シリーズでの巨人ー阪急の第6戦の巨人・星投手との死闘である。ここで簡単に振り返ってみたい。

 その年のペナントレースの終盤、巨人の星投手は大リーグボール1号を阪神の花形にホームランされた。鋼鉄のバットで鋼鉄のボールを打つという秘密の特訓の結果であった。大リーグボール1号はバットを狙ってボールを投げて凡打に収める変化球だが、花形はそれを逆手に取り、バットに命中した瞬間にバットを振り切るという秘策で挑戦してきたのだった。

 

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 さてその年の日本シリーズは巨人ー阪急の対戦となったが、阪急の西本監督は星投手の大リーグボール1号の攻略法として、秘密裏にとある選手に花形と同じ特訓をさせていた。

 それが他ならぬスペンサー選手であった。自ら志願して決死の特訓を受けたのであった。

 

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 そして、星投手は大リーグボール1号で勝負をかけた。

 

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 星投手はすでにこの花形打法に対抗するための作戦を立てていて伴捕手とともに秘密の特訓をしていた。それは揺れる船の上で釣り糸に垂らした50円玉をめがけて投げるというものであった。

 

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 さてスペンサーとの勝負は?

 

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 星投手はバットの本体ではなく、グリップエンドを狙ったのだった。スペンサーのバットのグリップエンドにはイニシャルの”S"が刻まれている。スペンサーはこの後、素直に敗北を認め、すがすがしい笑顔で勝者である星投手に賛辞を送った。

 昭和42年と言えば半世紀前のことである。スペンサーはこうして残念ながら星投手には敗れたものの、鉄バットの特訓を自ら志願し果敢に和製大リーグボールに挑戦した。筋金入りの本場の大リーグ魂に敬意を表したい。ご冥福をお祈りする。

 

 

田端文士村記念館

 JR田端駅の北側の改札を出て西方向に進む。

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 そして、駅すぐそばの横断歩道を渡る。

 

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 そこに文士村記念館がある。

 

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 かつてこの田端の地に芥川龍之介が居を構えた。それをきっかけに室生犀星菊池寛堀辰雄萩原朔太郎などがここに移り住み、文士村となった。大正のころの話である。

 

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 この記念館は、その中でも特に芥川龍之介萩原朔太郎室生犀星の3人の友情をモチーフとした作品、書簡、エピソードなどを中心に展示している。ちょうどこの日は『水魚の交わり』と題した犀星と朔太郎の二人の友情がテーマの特設展があった。

 当時、田端にあった芥川の家屋の模型が展示されている。

  

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 こんなエピソードがある。

 朔太郎の詩集『日本詩集』の出版記念式が田端の中央亭というところで開催された。その席上でとある詩人がそれに難癖をつけた。犀星はそれを聞きつけて、朔太郎危うしと早合点、会場に馳せ参じ、会場にあった椅子を振り回して突進したという。芥川はその様子を傍で楽しく眺めていた。

 

敬愛する室生犀星よ、椅子を振り回せ、椅子を振り回せ

 ー 『芥川書簡』(T15.5.29)

 

 この3人はおなじ田端で暮らして、互いに尊敬しあい、刺激しあいながらも不思議な三角関係で結ばれていた。そしてそれは朔太郎、犀星の友情の間に割って入ろうとする芥川、という構図に見えてくる。

 そして最も印象深かったのは朔太郎の『芥川龍之介の死』と題した追悼文。

  芥川、室生の3人で田端の料理屋でうなぎを食べた。その時、芥川の顔には悲しげなものがちらりと浮かんだ。それでも彼は沈思し、無言の中に傘をさしかけて夜の町中を田端の停車場に送ってくれた。振り返ってみると彼は悄然と坂の上に一人立っている。自分はわけもなく寂しくなり手を振った。
ーそしてそれが最後の別れになったのである。

 

 最後に、最近の話題。

 この時代の雰囲気と、文士たちの友情関係は時代を超えてクリエーターに刺激を与えているのだと思う。

 

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 ちなみにこの記念館、入場料は無料。